【メリット・デメリットを比較】レーザー・TIG・MIG溶接による金型修理
金型の修理とは
金型の修理は、製造業における重要なプロセスであり、金型が摩耗や損傷した際に行われる工程です。金型は、製造の精度や生産効率に大きな影響を与えるため、適切な修理とメンテナンスが欠かせません。修理には、部品の交換や溶接を使用した再生、あるいは摩耗部分の補修が含まれます。
溶接による金型修理
金型の修理方法の一つに「溶接」があります。溶接は、金属部品を再結合して形状を復元するために用いられ、特に高精度を求められる金型の修理においては、レーザー溶接やTIG溶接、MIG溶接といった方法が使用されます。ここでは、これらの溶接法について詳しく解説します。
①レーザー溶接
概要
レーザー溶接は、高出力のレーザー光を用いて金属の表面を局所的に加熱し、溶融させて溶接する方法です。非常に高い精度が求められる金型の修理に最適で、特に微細な部品や薄い材料の修理でよく使われます。
メリット
高精度
レーザー溶接は非常に細かい部分を精密に溶接でき、金型の微細な修理に最適です。
低歪み
レーザーによる加熱は局所的で熱影響が少なく、材料の歪みを最小限に抑えることができます。これは見栄えの良い仕上がりにも繋がります。特に、アルミなどの熱伝導性が高い金属に有効です。
小さな溶接ビード
溶接ビードが小さく、加工後の仕上げ作業が少なくて済むため、加工効率が高まります。TIG溶接と比べると、溶接後の歪みが少なく追加加工の必要も少ないです。
デメリット
コストが高い
レーザー溶接機は高価で、運用コストも高いため、大規模な修理には不向きです。
装置の複雑さ
高度な技術と設備が必要であり、操作には熟練が求められます。自動化された機器も存在しますが、基本的には手動操作が主流です。
材料制限
一度に溶接できる溶接の範囲や量は、Tig溶接に劣ります。また、深い溝やレーザーが届きにくい箇所の溶接には向いていません。
②TIG溶接
概要
TIG溶接(Tungsten Inert Gas溶接)は、不活性ガスのシールド内でタングステン電極を使ってアークを発生させ、母材とフィラー材を溶融して接合する溶接法です。厚みのある部品にも対応可能で、金型の修理に広く使用されています。
メリット
高品質の溶接
溶接部に不純物が少なく、接合部が綺麗で強度が高いです。
汎用性
多くの金属に適用可能で、特に厚い部品や深い溝のような難しい場所にも適しています。
制御性
熱の供給を精密にコントロールできるため、厚みのある材料の作業にも対応できます。
速度
レーザー溶接に比べると溶接速度が速いことがあります。
デメリット
速度が遅い
溶接速度が他の溶接法と比べるとやや遅く、生産性が低い場合があります。
技術力が必要
TIG溶接の操作は難しく、作業者の習熟度に依存します。
歪みが大きい
レーザー溶接と比較すると、溶接面が粗く、歪みや反りが大きく出る可能性があります。スパッタ(飛び散る金属粒)も発生しやすいです。
MIG溶接
概要
MIG溶接(Metal Inert Gas溶接)は、フィラー材を自動供給しながら不活性ガスのシールド内でアークを発生させる溶接方法です。大量生産や一般的な溶接に広く使用され、金型修理でも利用されます。
メリット
高速
フィラー材が自動供給されるため、溶接速度が速く生産性が高いです。
操作が簡単
他の溶接法に比べて操作が簡単で、熟練度が低くても使用可能です。
デメリット
溶接品質
アークが広範囲となりエネルギーが分散してしまうため、
溶接材のワークへの溶け込みが浅くなってしまう傾向です。
スパッタの発生
スパッタが多く、後処理が必要になることが多いです。
厚さの制限
厚い材料や特定の合金には不向きです。大量に溶接材料を盛る作業には向いていません。
まとめると、
使用頻度が高い金型は、
レーザー溶接>TIG>MIG
高精度な修理が求められる場合は、
レーザー溶接>TIG溶接>MIG溶接
溶接速度が速い溶接は、
MIG溶接>TIG溶接>レーザー溶接(量によって変わる)
上記のような形で最適な溶接を使い分けて、金型修理を実施しています。
金型くん!メンテ改造ラボの金型 修理メンテナンスサービス
1.40人以上の金型技術者による年間250台以上の金型メンテナンスの実績!
貴社の長年にわたる技術力と実績をもとに、250台以上の金型修理とメンテナンスを行い、さらにお客様のニーズに応じた提案もされている点は、非常に信頼性の高いサービスだと思います。記事に含めると、強みが明確に伝わる内容になりますね。
2.他社製、外国製、図面が無い古い金型の修理・メンテナンスにも対応!
貴社の「金型くん!メンテ改造ラボ」では、図面が無い他社製や海外製、古い金型にも柔軟に対応されている点が非常に強みですね。お客様のニーズに応じた具体的な改善提案と、他社で断られた金型の修理対応は、非常に信頼されるポイントだと思います。これを強調することで、顧客の安心感をさらに高めることができますね。
3.不具合の原因調査から生産性の向上にむけ、製品の修理箇所や改造修理をご提案!
貴社の「金型くん!メンテ改造ラボ」では、金型の不具合が発生した際に、分解・解析を通じて最適な修理提案を行い、生産性の向上を目指している点が素晴らしいですね。経験豊富な技術力とノウハウを活かして、金型の性能を最大限に引き出すアプローチは、多くのお客様にとって大きな価値となります。
溶接による金型修理事例を紹介
①射出成形金型でのレーザー溶接による彫刻埋め・欠け修理
こちらの事例は、ハンドル付きの樹脂容器金型の部品です。
金型の一部が欠けていると、人の手で時間と手間をかけて取り除く必要があります。また、もう少し大きい欠けになると製品の生産にも大きな影響を与えることになります。また、この部品は、金型の彫刻埋めも行う必要があり、欠けと彫刻埋めの両方を、レーザー溶接にて修理しました。当社のレーザー溶接の技術は、高精度なため、どんな小さな欠けでも、修理対応可能です。
>>詳細はこちら
②レーザー溶接での金型入れ子ひび割れ修理
こちらの事例は、金型ゲート入れ子の圧力がかかる部品の修理をした事例になります。
ゲート入れ子にひび割れが入っており、製品の生産にも影響が出ている状態でした。このひび割れは、レーザー溶接にて修理を行いました。当社のレーザー溶接の技術は、高精度なため、どんなひびでも、修理対応可能です。
>>詳細はこちら
③レーザー溶接での微小傷修理
こちらの事例は、プリフォーム金型の傷の修理をレーザー溶接にて行った事例です。
画像の傷のように、小さな傷になりますが、当社のレーザー溶接の技術は高精度なため、修理対応することができます。また、金型の小さな傷は、レーザー溶接だけではなく、磨き込みや・叩き出しでも修理・メンテの対応をしております。さらに当社では、修理・メンテ後のカラーチェックまで行っております。
>>詳細はこちら
レーザー・TIG・MIG溶接による金型修理は当社にお任せ
扶桑精工の溶接の強みは、幅広い材質の金型修理に対応できる点です。
アルミや銅といった金型に使用されるさまざまな金属の溶接に対応可能で、大きい金型も問題なく扱えます。
さらに、金型の製作から修理まで一貫して対応できるため、トータルサポートを提供できる点が大きな強みです。お客様のニーズに合わせて柔軟に対応する技術力と信頼性で、長期的なパートナーシップを築いていくことが可能です。
>>お問合せはこちら